役員法令試験とは?その目的は?
役員法令試験とは
一般貨物自動車運送事業の許可を申請した後、次のハードルが「役員法令試験」となります。
この役員法令試験は、合格しなければ許可を受けることができない重要な審査項目です。つまり、運送事業の許可を得るためには、必要書類を整えて申請するだけでなく、役員法令試験を合格する必要があります。
役員法令試験の目的
役員法令試験は、1990年の規制緩和により運送事業に新規参入事業者が大幅に増加し、事業者の法令違反件数の増加などを背景に、経営者自らの関係法令に関する知識と法令遵守に意識醸成のため、2008年7月から許可要件に追加されました。
こうした背景から、役員法令試験には、運送事業を経営する者に必要な法令知識を確認し、法令遵守の意識を高めるという役割があります。
試験の概要
試験はいつ行われる?
法令試験は、関東運輸局では原則として奇数月に実施されています。
許可申請を受理した後、次回以降の試験日が指定され、受験者には試験実施日の10日前を目途に「法令試験実施通知書」が送付されます。
誰が受験する?
法人の場合、申請する事業に専従する常勤役員が受験します。
代表取締役に限定されるものではありません。
試験時間・問題数・合格基準
試験時間は50分、問題数は30問で○×方式及び語群選択方式によって出題されます。
合格ラインは8割の正解ですので、30問中24問の正解で合格となります。
H3 何を持ち込める?
テキストやノート、参考書を見ながらの解答が不可です。
しかし、当日会場で「条文集」が配布され、その条文集を確認しながら解答することは可能です。
不合格となった場合
合格基準に達しない場合は、翌々月に1回に限り再度受験することができます。
しかし、再試験でも不合格となった場合、却下処分(または、申請の取下げ)となります。
役員法令試験の出題範囲|13の法令
①貨物自動車運送事業法
運送事業の背骨といえる法律であり、13法令の中で最も重要な法律です。
②貨物自動車運送事業法施行規則
各種申請や申請書類作成の基になる規則です。
③貨物自動車運送事業輸送安全規則
点呼、運転日報、運行管理者の業務などを定めた規則であり、過去問を分析すると、特に出題が多い分野です。
④貨物自動車運送事業報告規則
運輸支局に提出しなければならない報告書等に関する規則を定めた法令です。
⑤自動車事故報告規則
事故が発生した際の報告について定められている省令であり、その報告すべきジトについて詳しく記載されています。
⑥道路運送法
運送事業、また自動車専用有料道路など自動車道路事業などについて定められた法律です。
⑦道路運送車両法
整備管理者、車検証、法定点検など、車に関して定められた法律です。
⑧道路交通法
道路における危険を防止し、交通の安全と円滑を目的とした基本的な交通ルールを定めた法律です。
⑨労働基準法
労働者の権利と義務、雇用主の責任など、労働に関する基本的なルールを定めた法律です。
⑩自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)
運転者の労働時間等の改善の基準を定めた厚生労働省の告示です。
⑪労働安全衛生法
職場における労働者の安全と健康を確保し、快適な職場環境を形成することを目的とした法律です。
⑫私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独禁法)
私的独占、不当な取引制限および不公正な取引方法を禁止し、事業支配力の過度の集中を規制する法律です。
⑬製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払いの遅延等の防止に関する法律(取適法)
下請事業者の利益を保護し、取引の適正化を推進する法律です。運送事業者と取引先との取引適正化に関わる法令として、試験範囲に含まれています。
役員法令試験の勉強方法
Step1 まず過去問を解いて問題のクセを知る
実際に過去の問題を解いてみます。何回か過去問を読むだけでも、よく問われる論点や傾向をつかむことができます。
Step2 間違えた問題、わからなかった問題の根拠条文を探す
間違えた問題を条文集で根拠条文を調べます。一度調べた条文は印をつけておくと、後で見返すときに試験に出題された条文と認識しやすくなります。
これを繰り返すことで、出題されやすい重要な条文はある程度絞ることができます。
合格への早道は、この重要な条文を理解することです。
Step3 条文集での条文の探し方に慣れる
試験当日に会場で条文集が配布されます。問題は条文に基づいて作成されているので、答えはこの条文集の中にあるとも言えます。しかし、30問全て条文集で調べていては時間が足りなくなります。原則は正しい知識を身につけて条文集に頼らず解答することですが、それでもわからない問題や解答があいまいな問題は条文集で調べながら解答することになります。
この条文集は運輸局のサイトにも掲載されています。
この条文集を活用して、根拠条文を調べることを繰り返すうちに、条文集のどこに何が書かれているのか次第に把握することができ、条文集での条文の確認時間の時間短縮にもつながります。
Step4 過去問演習を繰り返す
まずは過去問を繰り返し解いて、出題傾向を把握します。過去問は、できるだけ複数年度の問題に取り組み、繰り返し出てくる論点を確認します。特に直近数年の問題を繰り返し確認することをおすすめしています。
最初は1回の過去問を解くのに1時間近くかかるかと思います。しかし、勉強を続けていくうちに1回の過去問が15分以内に解けるようになります。
過去問を15分程度で解けるようになってくれば、試験本番でも時間に余裕を持って条文集を確認する時間を確保しやすくなります。
試験当日がどう解く?
1巡目は「○・△・×」に分類
最初に全部の問題を順番に解いていきます。問題文の脇に次のとおり印を付していきます。
○:すぐわかった
△:あいまい
×:わからない
△と✕を条文集で調べる
答えがあいまいな問題、わからない問題については、条文集を調べて解答します。
最初からすべて条文集を引かない
最初からすべての問題について条文集を調べていると、時間が足りなくなる可能性があります。まずは自分の知識で解答し、あいまいな問題や判断できない問題を後から条文集で確認する方法が効率的です。
2割(6問)は間違えてもいいという心持ち
30問すべてを正解する必要はありません。24問以上の正解が合格ラインです。分からない問題に必要以上に時間をかけず、確実に取れる問題を落とさないことが重要です。
「6問は間違えても構わない。」という心の余裕をもって試験に臨みましょう。
役員法令試験対策シリーズ
役員法令試験は、13の法令等が出題範囲となっているため、最初からすべての条文を一から勉強しようとすると、何から手を付ければよいのか分からなくなりがちです。
当サイトでは、役員法令試験の過去問や条文をもとに、特に理解しておきたい重要条文をシリーズで解説していきます。
当事務所のサービス「役員法令試験対策」
当事務所では、運送業を専門とする他の行政書士と協力し、役員法令試験対策教材の販売しております。関東運輸局のみならず他の地方運輸局別の出題傾向を分析し、各運輸局別に作成した実践的な教材となります。
さらに、ご希望に応じて対面又はオンラインでのセミナーも実施しています。
千葉の運送業許可・更新サポートオフィス」は運送業専門の行政書士事務所として運送事業者の皆様をサポートしております。
役員法令試験対策、運送事業許可、事業計画の変更(営業所移転・増減車など)、巡回指導、Gマーク取得、外国人ドライバーの採用、その他お困りの事があればいつでもご相談ください。
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