【役員法令試験対策】重要条文シリーズ①貨物自動車運送事業法施行規則第44条(届出)

役員法令試験に合格するには、過去問の分析・攻略を欠かすことはできません。

この記事では「重要条文シリーズ」として、過去問を分析して頻出の条文と過去問を取り上げ、法令試験突破に必要な知識の習得の一助になればと思います。

この条文は役員法令試験でよく出る?

最も出題回数が多かった条文

関東運輸局が公開している令和3年5月実から令和8年7月までに実施された計32回の過去の試験問題を分析した結果、貨物自動車運送事業法施行規則(以下「施行規則」といいます。)第44条に関する問題は延べ36回出題され、最も出題回数の多い条文でした。

施行規則第44条とは

条文の内容

(届出)
第44条 一般貨物自動車運送事業者、特定貨物自動車運送事業者、貨物軽自動車運送事業者、特定第二種貨物利用運送事業者、地方実施機関及び全国実施機関は、次の各号に掲げる場合に該当することとなったときは、その旨を当該各号に掲げる国土交通大臣、地方運輸局長、運輸監理部長又は運輸支局長に届け出なければならない。
一 一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業の運輸を開始した場合 当該一般貨物自動車運送事業  
 又は特定貨物自動車運送事業の許可をした国土交通大臣又は地方運輸局長
二 一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業の譲渡し及び譲受け又は法人の合併若しくは分割が終
 了した場合 当該事項の認可をした国土交通大臣又は地方運輸局長
三 休止していた一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業を再開した場合、当該休止の届出を受理 
 した運輸監理部長又は運輸支局長
四 法第8条第2項、法第22条(法第35条第6項、法第36条第2項及び法第37条の2第3項において準
 用する場合を含む。)、法第26条第4項又は法第27条の規定に基づく命令を実施した場合 当該命令を発し 
 た国土交通大臣、地方運輸局長、運輸監理部長又は運輸支局長
五 一般貨物自動車運送事業者又は特定貨物自動車運送事業者の氏名、名称又は住所に変更があった場合 当該
 一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業の許可をした国土交通大臣又は地方運輸局長
六 一般貨物自動車運送事業者又は特定貨物自動車運送事業者たる法人であって、役員又は社員に変更があった
 場合 当該一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業の許可をした国土交通大臣又は地方運輸局長
七 特定貨物自動車運送事業の運送の需要者の氏名、名称、住所又は法人にあっては、その代表者の氏名に変更
 があった場合 当該特定貨物自動車運送事業の許可をした地方運輸局長
                    (八号から十二号は省略)
2 前項の届出は、届出事由の発生した後遅滞なく(同項第6号に掲げる場合(代表権を有しない役員又は社員 
 に変更があった場合に限る。)にあっては前年7月1日から6月30日までの期間に係る変更について毎年7月
 31日までに、同項第8号に掲げる場合にあってはあらかじめ、同項第9号から第12号までに掲げる場合に
 あっては15日以内に)行わなければならない。
                     (第3項以下は省略)

施行規則第44条の内容は?

施行規則44条は国交大臣、地方運輸局長等へ届出が必要な場合を定めた条文です。

ここでは、

①届出の対象(どのような場合に(何を変更したときに)届出が必要なのか)

②届出の時期(いつまでに届出をする必要があるのか)

をしっかり押さえる必要があります。 内容をまとめたら以下の表のとおりです。

実際の過去問を見てみよう

これまで出題回数の多かった問題をいくつか挙げていきます。

なお、「問題番号」は、出題された「年」、「月」、問題の「番号」を記載したものです。

例)「R8-5-16」の場合、「令和8年5月」実施も問題「16」を意味します。

また、出題回数とは、本件分析期間(令和3年5月実から令和8年7月までに実施された計32回)の中で何回出題された回数を記載しております。

過去問①(出題回数:8回)

問題番号:R8-5-19、R7-3-11、R7-11-14、R6-5-2、R5-5-16、R4-9-16、R4-1-20、R3-7-13

次の文章の正誤について答えなさい。

【問題】

一般貨物自動車運送事業者又は特定貨物自動車運送事業者たる法人であって、代表権を有する役員又は社員を変更する場合には、あらかじめ、許可をした国土交通大臣又は地方運輸局長に届出書を提出しなければならない。

《正解・解説》

正解:×誤

解説:代表権を有する役員又は社員を変更する場合の届出の時期は(原則の)

   変更があった場合遅滞なく届出をすることとなっています。

   あらかじめの届出ではありません (同条1項6号、2項参照)

この問題では「代表権を有する役員の変更」という事実そのものではなく、「いつ届出をするのか」が問われています。

過去問②(出題回数:7回)

問題番号:R8-1-7、R7-5-4、R6-7-7、R5-3-20、R5-11-23、R4-7-21、R3-9-16

つぎの文章の正誤について答えなさい。

【問題】

一般貨物自動車運送事業者又は特定貨物自動車運送事業者たる法人であって、役員又は社員に変更があった場合及び定款並びに資本金の額に変更があった場合には、その旨を届け出なければならない。

《正解・解説》

 正解:×誤

 解説:「定款並びに資本金の額」の変更は、届出の対象にはなっていません。

    「役員・社員の変更」➡届出対象

    「定款・資本金額の変更」➡第44条の届出対象外

過去問③(出題回数:6回)

問題番号:R8-3-4、R7-9-16、R7-1-15、R6-1-2、R5.5.6、R4-11-2

つぎの文章の正誤について答えなさい。

【問題】

一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業の運輸を開始した場合には、その旨を当該一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業の許可をした国土交通大臣又は地方運輸局長に対し、遅滞なく届け出なければならない。

《正解・解説》

 正解:○正

 解説:そのとおり。「運輸を開始した場合」は届出の対象です。(同条1項1号参照)

過去問④(出題回数:6回)

問題番号:R7-3-1、R6-9-14、R6-3-13、R5-7-9、R5-1-20、R4-3-20

【問題】

一般貨物自動車運送事業者等は、一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業の運輸を開始した場合、一般貨物自動車運送事業の譲渡し及び譲受け又は法人の合併若しくは分割が終了した場合、休止していた一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業を再開した場合、貨物自動車利用運送を行うかどうかの別を変更した場合には、その旨を届け出なければならない。

《正解・解説》

 正解:×誤

 解説:「貨物自動車利用運送を行うかどうかの別」は届出ではなく「認可」申請の対象です。(貨物自動車運送事業法第9条、施行規則第2条1項8号参照)

   「運輸開始した場合」➡届出

   「事業の譲渡・譲受」「合併・分割の終了」➡届出

   「休止していた事業の再開」➡届出

   「貨物自動車利用運送を行うかどうかの別」の変更➡認可

過去問⑤(出題回数:3回)

問題番号:R8-7-14、R6-11-1、R5-9-20

【問題】

一般貨物自動車運送事業者又は特定貨物自動車運送事業者たる法人であって、代表権を有する役員又は社員を変更する場合にはあらかじめ、代表権を有しない役員又は社員に変更があった場合には前年7月1日から6月30日までの期間に係る変更について毎年7月31日までに、許可をした国土交通大臣又は地方運輸局長に届出書を提出しなければならない。

《正解・解説》

 正解:×誤

 解説:代表権を有する役員又は社員を変更する場合には「あらかじめ」ではなく、「遅滞なく」届出が必要です。

    代表権を有しない役員又は社員の変更については、設問のとおりです。

   (同条1項6号、2項参照)

この条文で押さえておきたいポイント

①届出の時期

施行規則第44条第2項では、届出の時期について定めています。

原則として、届出事由が発生した後、遅滞なく届出を行います。

ただし、代表権を有しない役員又は社員の変更については、前年7月1日から6月30日までの期間に係る変更について、毎年7月31日までに届け出ることとされています。

この「代表権を有する役員」と「代表権を有しない役員」で届出時期が異なる点は、過去問でも繰り返し出題されています。

②届出の対象を正確に区別する

前記の過去問②・④などから押さえておくポイントとしては次の2点です

○「定款並びに資本金の額」の変更は届出の対象外

○「貨物自動車利用運送を行うかどうかの別」の変更は「認可」

まとめ

今回分析した過去問でも、同じ内容の問題が複数回出題されていることが確認できます。

そのため、複数年の過去問を繰り返し解くことで、重要な論点と知識を身につけることができます。

このサイトでは、今後も、役員法令試験の過去問から出題頻度の高い条文についてシリーズ化して解説していきます。

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この記事を書いた人 Wrote this article

行政書士石川まさゆき

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