【役員法令試験対策】自動車事故報告規則第4条(速報)を過去問から解説|重要条文シリーズ②

役員法令試験に合格するには、過去問の分析・攻略を欠かすことはできません。
この記事では「重要条文シリーズ」として、過去問を分析して頻出の条文と過去問を取り上げ、法令試験突破に必要な知識の習得の一助になればと思います。

今回は、自動車事故報告規則第4条(速報)を取り上げます。

この条文は役員法令試験でよく出る?

特に出題回数が多かった条文

関東運輸局が公開している令和3年5月実から令和8年7月までに実施された計32回の過去の試験問題を分析した結果、自動車事故報告規則(以下「事故報告規則」といいます。)第4条に関する問題は延べ28回出題され、今回の分析で出題回数が特に多かった条文の一つでした。

事故報告規則第4条とは

条文の内容

自動車事故報告規則
(速報)
第4条 事業者等は、その使用する自動車(自家用自動車(自家用有償旅客運送の用に供するものを除く。) に
 あつては、軽自動車、小型特殊自動車及び二輪の小型自動車を除く。) について、次の各号のいずれかに該当 する事故があつたとき又は国土交通大臣の指示があつたときは、前条第1項の規定(註:30日以内に自動車事 故報告書の提出)によるほか、電話、ファクシミリ装置その他適当な方法により、24時間以内においてできる 限り速やかに、その事故の概要を運輸監理部長又は運輸支局長に速報しなければならない。
 一 第2条第1号に該当する事故(註:自動車が転覆・転落・火災を起こし、又は鉄道車両と衝突・接触)(旅  客自動車運送事業者及び自家用有償旅客運送者(以下「旅客自動車運送事業者等」という。) が使用する自  動車が引き起こしたものに限る。)
 二 第2条第3号に該当する事故(註:死者・重傷者が生じた事故)であつて次に掲げるもの
  イ 2人(旅客自動車運送事業者等が使用する自動車が引き起こした事故にあつては、1人)以上の死者を 生じたもの
  ロ 5人以上の重傷者を生じたもの
  ハ 旅客に1人以上の重傷者を生じたもの
 三 第2条第4号に該当する事故(註:10人以上の負傷者)
 四 第2条第5号に該当する事故(註:積載された危険物・火薬類・高圧ガス等が飛散・漏えいしたもの)(自  動車が転覆し、転落し、火災を起こし、又は鉄道車両、 自動車その他の物件と衝突し、若しくは接触したことにより生じたものに限る。)
 五 第2条第8号に該当する事故(酒気帯び運転があつたものに限る。)
2 前条第3項の規定は、前項の規定により運輸監理部長又は運輸支局長が速報を受けた場合について準用する。

《註:本条での「事業者等」とは》
旅客自動車運送事業者、貨物自動車運送事業者(貨物軽自動車運送事業者を除く。)、特定第二種貨物利用運送事業者及び自家用有償旅客運送者並びに道路運送車両法第50条に規定する整備管理者を選任しなければならない自家用自動車の使用者のことをいいます。

事故報告規則第4条の内容は?

ある一定の事故をがあったとき、通常の対応(30日以内に「自動車事故報告書の提出」)のほかに、運輸支局長等に速報しなければなりません。
事故報告規則第4条は「速報」の報告・期限・速報対象の事故について定めた条文です。

速報の方法は?

電話、ファクシミリ装置その他適当な方法により速報します。

いつまでに速報する?

24時間以内においてできる限り速やかに報告しなければいけません。

誰に速報する?

その事故の概要を、運輸監理部長又は運輸支局長に対し速報します。

速報対象の事故とは?

①自動車が転覆・転落・火災を起こし又は鉄道車両と衝突・接触した事故で、旅客自動車運送事業者及び自家用有償旅客運送者が使用する自動車が引き起こしたものに限る。

 【重要】この場合で、貨物自動車運送事業者(トラック運送事業者)が使用するトラックが引きおこしたものは対象ではないことに注意!

②2人以上の死者が生じたもの

③5人以上の重傷者が生じたもの

④旅客に1人以上の重傷者を生じたもの

⑤10人以上の負傷者が生じたもの

⑥自動車が転覆・転落・火災、又は鉄道車両、自動車その他の物件と衝突・接触により、 積載された危険物・火薬類・高圧ガス等が飛散・漏えいしたもの

⑦酒気帯び運転

以上の事故が生じた場合には、速報することになります。

実際の過去問を見てみよう

これまで出題回数の多かった問題をいくつか挙げていきます。

なお、「問題番号」は、出題された「年」、「月」、問題の「番号」を記載したものです。

例)「R8-5-16」の場合、「令和8年5月」実施も問題「16」を意味します。

また、出題回数とは、本件分析期間(令和3年5月実から令和8年7月までに実施された計32回)の中で何回出題された回数を記載しております。

過去問①(出題回数:6回)

問題番号:R8-5-16、R7-5-23、R6-3-6、R5-1-25、R3-5-4、R3-11-25

次の文章の正誤について答えなさい。

【問題】
事業者等は、その使用する自動車について2人以上の死者を生じた事故があったときは、電話、その他適当な方法により、24時間以内においてできる限り速やかに、その事故の概要を運輸支局長等に速報しなければならない。

《正解・解説》

 正解:○正

 解説:設問のとおり。(同条1項2号イ参照)

過去問②(出題回数:6回)

問題番号:R8-1-23、R7-7-21、R6-5-23、R5-3-19、R4-5-25、R3-9-10

つぎの文章の正誤について答えなさい。

【問題】

事業者等は、その使用する自動車について、5人以上の重傷者を生じた事故があったときは、電話、その他適当な方法により、24時間以内においてできる限り速やかに、その事故の概要を運輸監理部長又は運輸支局長に速報しなければならない。

《正解・解説》

 正解:○正

 解説:設問のとおり。(同条1項2号ロ参照)

過去問③(出題回数:4回)

問題番号:R8-3-13、R7-3-5、R5-11-17、R4-9-10

つぎの文章の正誤について答えなさい。

【問題】

事業者等は、その使用する自動車(自家用自動車(自家用有償旅客運送の用に供するものを除く。)にあつては、軽自動車、小型特殊自動車及び二輪の小型自動車を除く。)について、10人以上の負傷者を生じた事故があったときは、電話、その他適当な方法により、24時間以内においてできる限り速やかに、その事故の概要を運輸支局長等に速報しなければならない。

《正解・解説》

 正解:○正

 解説:設問のとおり。(同条1項3号、2条4号参照)

過去問④(出題回数:4回)

問題番号:R7-9-29、R6-9-28、R5-7-30、R3-7-27

【問題】

事業者等は、その使用する自動車について、自動車事故報告規則で規定する事故があった場合には、24時間以内においてできる限り速やかに、その事故の概要を運輸支局長に速報しなければならないこととされているが、その対象となる事故として、誤っているものを次の①から③より選び、( )内にその番号を記入しなさい。

① 2人以上の死者を生じた事故

② 10人以上の負傷者を生じた事故

③ 自動車に積載されたコンテナが落下した事故

《正解・解説》

 正解:③

 解説:「自動車に積載されたコンテナが落下した事故」は、事故報告規則2条に定める「事故」の一つですが、4条に定める「速報」の対象ではありません。この場合、速報ではなく「自動車事故報告書」を作成し、事故があった日から30日以内に運輸支局長等を経由して、国土交通大臣に提出することになります。(事故報告規則第2条1項6号、第3条参照)
 ①は前記過去問①のとおり、②は前記過去問③のとおりです。

過去問⑤(出題回数:3回)

問題番号:R7-1-3、R6-7-9、R6-1-18

【問題】

貨物自動車運送事業者は、その使用する自動車について、自動車が転覆し、転落し、火災(積載物品の火災を含む。)を起こし、又は鉄道車両(軌道車両を含む。)と衝突し、若しくは接触した事故があったときは、電話、その他適当な方法により、24時間以内においてできる限り速やかに、その事故の概要を運輸支局長等に速報しなければならない。

《正解・解説》

 正解:×誤

 解説:設問の事故も速報の対象ですが、これは「旅客自動車運送事業者及び自家用有償旅客運送者が使用する自動
    車が引き起こしたもの」に限られます。

    トラック運送者が使用する自動車が引き起こした場合は対象ではありません。(同条1項1号参照)

過去問⑥(出題回数:3回)

問題番号:R8-7-2、R7-3-18、R7-11-18

次の文章の正誤について答えなさい。

【問題】
事業者等は、その使用する自動車について、2人以上の死者を生じた事故があつたときは、電話、その他適当な方法により、当該事故があつた日から30日以内に、その事故の概要を運輸支局長等に速報しなければならない。

《正解・解説》

 正解:×誤

 解説:2人以上の死者を生じた事故は速報対象です。

   報告の時期は、24時間以内においてできる限り速やかに行わなければいけません。(同条1項2号イ参照)

この条文で押さえておきたいポイント

①速報対象の事故

速報対象となる事故について繰り返し出題されています。
前期に挙げた速報対象の事故の形態を押さえておきましょう。

特に、トラック運送事業者が使用する自動車が引き起こした場合に対象とならない事故がありますので注意してください(過去問⑤参照)

②速報の期限、いつまでに報告が必要か

次に、速報の期限が問われる問題も出題されています。

速報は

は

・電話、ファクシミリ装置その他適当な方法により

・24時間以内においてできる限り速やかに

行うことを忘れないようにしましょう。

③トラック事業者にとって速報対象となる事故・ならない事故を区別

転覆・転落・火災、鉄道車両との衝突・接触は、第4条第1項第1号の速報対象ですが、この号は旅客自動車運送事業者等が使用する自動車に限られます。

過去問でも、貨物自動車運送事業者についてこの点を問う問題が繰り返し出題されています。

まとめ

今回解説した事故報告規則4条(速報)についても、32回の過去問のうち延べ28回出題されている重要条文です。しかし、問われている論点は絞られていますし、実務的にも重要な知識です。

ポイントをしっかり押さえて、出題されたら必ず得点したい分野です。

このサイトでは、今後も、役員法令試験の過去問から出題頻度の高い条文についてシリーズ化して解説していきます。

千葉の運送業許可・更新サポートオフィス」は運送業専門の行政書士事務所として運送事業者の皆様をサポートしております。
役員法令試験対策、運送事業許可、事業計画の変更(営業所移転・増減車など)、巡回指導、Gマーク取得、外国人ドライバーの採用、その他お困りの事があればいつでもご相談ください。

「千葉の運送業許可・更新サポートオフィス」のサイトはこちら

この記事を書いた人 Wrote this article

行政書士石川まさゆき

行政書士石川まさゆき

TOP