千葉で外国人の方のビザ申請、外国人雇用支援を中心に各種許認可申請のサポートをしております行政書士の石川まさゆきです。
帰化申請は、申請しようとする方の住居地を管轄する法務局に対し、書面で申請することになります。
今回は、帰化申請をする場合の必要な書類と申請の流れについて説明いたします。
帰化申請に必要な書類
提出する書類は原則として2通(原本とコピーそれぞれ1通)
① 帰化許可申請書 ※定型様式
・2通ともに写真を添付します。
・帰化後の本籍は自由に定めることができます。
② 親族の概要を記載した書面 ※定型様式
記載する親族の範囲は、申請していない同居の親族、配偶者(元配偶者も含む。)、親(養親を含む。)、子(養子を含む)。兄弟姉妹、配偶者の両親、内縁の夫(妻)、婚約者等です。すでに死亡している該当者も記載します。
③ 履歴書 ※定型様式
申請者ごとに作成しますが、15歳未満の施院生者の場合は不要です。
④ 履歴書に記載した経歴を疎明する資料
例:ⅰ 卒業証明書又は卒業証書の写し
ⅱ 在学証明書又は通知表の写し
ⅲ 在勤証明書
ⅳ 自動車免許証の写し
ⅴ 技能及び資格証明書(医師、看護師、教員、建築士など免許を必要とする職業)
⑤ 帰化の動機書 ※定型様式
帰化を希望する理由を具体的に自筆します。(パソコンでの記入は不可)
来日の経緯及び動機、日本での生活の感想、日本での社会貢献、本国に対する想い、帰化が許可された後での生活の予定などを自筆します。
なお、15歳未満の申請者はこの動機書は不要です。
⑥ 宣誓書
善良な日本国民になる旨の宣誓書です。
事前に準備する必要はありません。法務局に置いてある様式で、受付する際に法務局の担当官の前で自筆署名するものです。
⑦ 生計の概要を記載した書面 ※定型様式
申請者並びに配偶者及び生計を同じくする親族の収入・支出関係、資産関係などを記載します。
不動産(土地・建物)を所有している場合、その内容を記載し、その土地・建物の登録事項証明書も提出します。
日本国外に不動産を所有している場合も記載します。
⑧ 事業の概要を記載した書面 ※定型様式
・申請者又は申請者の生計を維持している配偶者、
その他親族が個人事業を営んでいる場合、若しくは法人を経営している場合
・申請者が法人の役員その他の経営に従事している者である場合
・申請者が共同で事業を営んでいる場合
以上の場合、これら個人又は法人の事業の概要を記載した書面を提出します。
書面には、事業の財務内容等について記載し、確定申告の控え、貸借対照表、損益計算書当の決算報告書も添付します。
さらに、法人を経営している場合は、その法人の登記事項証明書、経営について許可が必要な場合はその許可に係る証明書の写しも添付します。
⑨ 自宅、勤務先、授業所付近の略図 ※定型様式
略図には、最寄りの交通機関からの経路、所要時間を記載します。
⑩ 本国法で行為能力を有することの証明書
本国の成人年齢・行為能力の制限を定めた法令及び申請人の年齢を証明した本国の公的な証明書を提出します。ただし、次の場合は省略することができます。
- 日本国民の配偶者
- 日本国民の子
- 日本の国籍を喪失した人
- 日本生まれで、生まれた時から無国籍の人
⑪ 国籍証明書
法務局の担当者の指示があったときに提出します。
韓国・朝鮮の人は、本国官憲(大使館等)が発行する家族関係登録簿に基づく基本証明書を提出すれば足りるとされています。
⑫ 旅券の写し
所持しているすべての旅券の写しを提出します。
⑬ 身分関係を証する書面
ア 韓国・朝鮮の人の場合は、家族関係登録簿に基づく証明書
イ 台湾の人の場合は台湾の戸籍(除籍)謄本
ウ 申請者の配偶者(元配偶者、内縁関係の者も含む。)、子(養子を含む。)婚約者、父母(養父母を含む。)等が日本国民の場合、同人の日本の戸籍(除籍)謄本(全部事項証明書)
エ 申請者が日本で出生、婚姻、離婚、養子縁組等をしている場合、又は申請者の父母等が日本で婚姻、離婚、死亡等している場合で役所に届出をしている場合は、それぞれ記載事項証明書
カ 申請人及び申請人の家族(親、兄弟姉妹)が本国(又は第三国)で出生、婚姻、離婚等をしている場合は、当該出席、婚姻、離婚、親族関係等の証明書(公的なもの)
⑭ 日本の国籍を取得することによってその国の国籍を失うべきことの証明書
この証明書は法務局の担当者の指示に従い、本国の官憲(大使館等)から発行を受けたものを提出します。韓国の場合、日本国籍を取得すると当然に韓国の国籍を喪失する法制度であるため、この証明書を提出する必要はありません。
⑮ 居住歴を証する書面
申請者、同居者及び配偶者の住民票(又は除票)を提出します。
外国人の方で2012年7月以前に住所があった方は、法務省個人情報保護係に対し、「閉鎖外国人登録原票」「外国人記録調査書(出入国記録)」を開示請求し、開示を受けます。
なお、申請者と内縁関係にある者については、現在の住民票の写しを提出します。
⑯ 運転記録証明書
自動車の運転免許証を持っている場合は、過去5年間の運転記録証明書(自動車安全運転センター発行)を提出します。
運転免許証が失効又は取り消された人は、運転免許経歴証明書を提出します。
⑰ 収入に関する証明書
ア 在勤及び給与証明書 ※定型様式
申請者、配偶者並びに生計を同じくする親族が、給与や報酬等の収入により生計を営んでいる場合に勤務先の代表者又は給与の支払い責任者が作成した証明書を提出します。
イ 源泉証明書(直近1年分)
ウ 許認可証明書(事業免許等)
許認可が必要な事業を営んでいる場合はその許認可の証明書(写し)を提出します。
エ 会社の登記事項証明書
⑱ 資産に関する証明書
ア 不動産を予習している場合は登記事項証明書
不動産を賃貸している場合は賃貸借契約書の写し
イ 預貯金の通帳の写し又は預貯金残高証明書
⑲ 納税に関する証明書
課税証明書、納税証明書、確定申告書の控えなど(直近3年分)
⑳ 公的年金保険料の納付証明書
ねんきん定期便、年金保険料の領収書等の写し(直近1年分)
㉑ その他の参考資料
法務局の担当者からの指示により参考資料として、例えばスナップ写真、感謝状などが必要となる場合があります。
帰化申請の流れ(自分で申請する場合)
実際に自分で帰化申請をする場合、そのような流れになるか、簡単ですが大まかにつぎのような流れになります。
① 法務局への事前相談 ※要事前予約
帰化申請ができるか、事前に法務局に相談に行き、帰化申請が可能かを確認します。法務局では、申請人の経歴、家族関係、仕事内容など詳しく聞かれます。申請が可能であれば、担当者から具体的な申請方法(必要書類など)を確認します。
なお、事前相談は必ず電話で事前予約する必要があります。混んでいることが多く、数週間先の予約になることが多いです。
② 書類の収集
法務局の担当者は指示した必要書類を集めます。
③ 法務局での相談(書類確認)※要事前予約
再度法務局に相談の予約をして、②で集めた書類一式を持って法務局に相談(書類の確認)に行きます。
④ 申請書の作成
③の相談を受け、帰化申請の申請書を作成します。
⑤ 法務局での最終相談
申請書を作成したら、申請書類一式を持って再度法務局に相談に行き、書類に不備はないか担当者に見てもらいます。不備があった場合は改めて準備して、再度予約して法務局に出向く必要があります。
書類に不備がない場合、法務局によっては即日、申請を受理してもらうことがありましが、そうでなければ後日、受付日を指示されることになります。
⑥ 申請・受理
法務局から指定された申請日に法務局に行き申請を受理してもらいます。
⑦ 法務局での面接
申請受理から2、3か月後に法務局から面接の日時の連絡があり、法務局に出向いて面接を受けます。
⑧ 法務局での審査
審査期間中は法務局から本人に対し、追加資料の要求などがある場合があります。
⑨ 許可
法務局の担当者から申請人に対し、電話で許可の連絡があります。
申請から許可まで概ね1年程度かかります。
行政書士に依頼するメリット
以上のとおり、帰化の申請には膨大な資料の収集と書類作成に時間がかかります。また、法務局の担当者の指示したものと異なる資料を集めたり、そもそも資料の入手方法がわからなかったり、間違った内容で書類を作成してしまって作り直したり・・・
申請者ご本人がすべてやろうとすると途中で頓挫してしまう可能性があります。
そうならないためにも、不安がれば遠慮なく専門家に相談しましょう。
行政書士は、帰化申請をお手伝いする専門家です。
行政書士に相談・依頼すると次のようなメリットがあります。
【メリット1】事前に帰化の要件を満たしているか診断してもらえる。
行政書士に相談していただくと、ご自身が帰化の要件に合っているか診てもらうことができます。さらに、受任する際には必要な書類について教えてもらうことができます。
【メリット2】必要な資料の収集、書類作成を依頼することができる。
先に書いたとおり、自分で申請するには時間も労力もかかってしまいます。
膨大な資料の収集も書類作成も行政書士に依頼すれば、ご自身の時間や労力削減の面で大きなメリットがあります。
【メリット3】法務局への同行や面接に対するコンサルティングを受けることができる。
法務局への申請は、本人が直接赴いて申請する必要があります。それに行政書士が同行することもできます。
また、法務局の面接についても、事前に行政書士から面接のポイントなどコンサルティングを受けることができるのでかなり精神的な負担が軽減されます。
【メリット4】審査期間中の継続サポートが受けられる。
審査中は法務局から追加の質問や追加資料の提出を求められたり、場合によっては法務局の職員が自宅や職場に訪問することもあります。そのような場合でも一人で悩むことなく行政書士に相談して適切に対応することができます。
繰り返しになりますが、帰化の申請は決して楽な申請ではありません。ご自身の時間的負担、精神的負担、労力の軽減、そして確実に許可を得るためにも、専門家である行政書士に遺体するメリットは大きいです。
遠慮なく専門家である行政書士に相談してください。
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